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中国古代医学から現代日本へ「医食同源」と梅の健康効果

中国古代医学から現代日本へ「医食同源」と梅の健康効果
ソンバーユ試験研究室のコスメコンシェルジュ、漢方薬・生薬認定薬剤師久保田が担当です。

ところで
漢方の思想のように生薬のCMなどで普段みかける「医食同源」という言葉は、中国のいつの時代からあるのでしょうか。また日本には、いつごろ伝わり知られるようになったのでしょうか。

意外に思われるかもしれませんが、「医食同源」という言葉は古代中国で生まれたものではありません。1970年代に入って、欧米食文化からの回帰や日中国交回復を機とした中国文化の再注目の中から、中国的な食養生がわが国でブームになりました。その際にテレビの料理番組『きょうの料理』において、担当されていた臨床医の先生が考案した言葉といわれています。この時の番組は健康長寿と食事についてのもので、中国に古くからある薬膳を紹介するとき、薬では化学薬品のようで誤解されるので、「薬」の漢字を「医」に代えて誕生した日本での造語といわれています。

しかしその考え方自体がなかったかというとそうではありません。古代中国では医師を四つに分けていたそうです。周王朝の制度・習慣を述べた「周礼」によれば、皇帝の食事を管理する医師で、季節の陰陽の調和や味の配合などを考え、食物によって病気の治療や予防を行っていた最高位の医師を「食医」。食医に次いで今の内科医のような方を「疾医」。次いで今の外科医のような方を「瘍医」。ともに食事も治療の重要な位置を占めていたそうです。四番目は獣医でした。古代中国ではその土地に根差した「薬」としての「食」の重要性が古くから指摘されており、その意味で「薬」や「医」が食と同じ源という思想は言葉こそなくとも中国医学の根幹をなすものであったことは事実であるようです。

日本の漢方領域においても、生姜を食材のときはショウガと読みますが、漢方ではショウキョウと読み、小豆も食材の時はアズキと読みますが漢方では赤小豆と書いてセキショウズといいます。主食のお米も処理したものを粳米(コウベイ)と呼ぶなど日常的な食材が漢方の素材になっており、薬と食が「同源」であることは疑いようがありません。

そして梅もまた「薬」と「食」がある食材ではないでしょうか。
梅はバラ科サクラ属に属する落葉樹で、中国が原産とされています。日本では古くから観賞用や果樹として栽培されており、春の訪れを告げる花として親しまれています。梅の花は白、紅、ピンクなど様々な色があり、芳醇な香りを放ちます。

食材として梅の果実は梅干しや梅酒、梅ジャムなどに加工され、古くから日本人の食生活に欠かせない存在です。梅にはミネラルやクエン酸などが豊富で、夏バテ予防や食欲増進に効果があるとされています。また梅酒は梅の果実をホワイトリカーなどに漬け込んだもので、独特の芳醇な香りと酸味の風味が楽しめます。

漢方として使用する際は青梅を煙で黒く燻して、乾燥させて作る烏梅(うばい)などが知られています。そして梅は烏梅丸(うばいがん)や杏蘇散(きょうそさん)などに使われます。



入梅の季節、梅の実が色づき、収穫の時期となります。この時期は梅雲丹の原料を製造するために収穫された梅を仕入れて職員一同で水洗いをします。一つ一つ丁寧にヘタを取り除き 拭き上げ梅漬けを行います。

梅雨が終わればいよいよ夏本番、気温も湿度も高くなってきます。そんな厳しい暑さの中、熱中症対策は欠かせません。水分補給とミネラル、クエン酸の摂取が重要です。夏の暑さ対策にも役立つ梅の効能を見直してみませんか



ソンバーユ株式会社
試験研究室
コスメコンシェルジュ
薬剤師 久保田