昭和46年 当社が日本で初めて馬油の製品化に成功しました。
馬の脂肪を溶かして、厚い濾紙を通すと琥珀色の美しい馬油がとれますが、この時点では、まだ酸化した脂肪油や、血液成分などの不純物が溶け込んでいます。これらの不純物を除去し、いかに純度を高めるかが、品質の差になります。
当社では、まず鮮度良い状態で冷凍保管した食用馬の脂肪から馬油を抽出濾過(一次精製)します。更に製品化が近づくと、経験豊富な職人が馬油の特性を保つため真空タンク内で蒸気だけを用いて不純物を再除去(最終精製)し、このような工程を経て純粋な馬油に仕上げています。
また一次精製から最終精製までの間、馬油を2年寝かせ置き、固液に自然と分かれるまでじっくり待ちます。分離後は、人の手を介し固液に取り分ける作業を、繰り返し、繰り返し、行います。
こうした一連の取り組みは、製造過程で馬油特有の脂肪酸組成に変化が生じないようにするためです。
そして、最終精製後の馬油を容器へ充填、箱詰め作業まで、これらすべての工程は自社にある専用の馬油製造設備と作業スペースで行っています。
私達が昭和20年代から馬油の研究を開始し、すでに70年以上の歳月が過ぎました。昭和60年頃までは馬油メーカーは弊社一社だけだったのですが、近頃は馬油を製造する企業や、馬油を使用した化粧品を販売する企業が増えました。不純物を取り除いていなかったり、ミツロウや水素添加し固形化処理したもの、馬油を乳化させオイルとは言えないものなど、いろいろな馬油関連品が出回っています。
「ソンバーユ」は、今も「馬油」の名付け親がたどり着いた「完成までに2年の歳月をかける」、昔ながらの製法を守り、ゆっくり、じっくり、丁寧に作られています。
これまでも、これからも、私達は最良品質の馬油をお届けして参ります。
冷凍された新鮮な馬の脂肪を溶解前処理としてミンチにします。
※原料は食用馬の副産物です。
ミンチにした馬脂を蒸気釜で加熱して溶かします。
肉カスを取り除いたあと濾紙を通すと、琥珀色に澄んだ馬油になります。
一次精製した馬油を専用タンクで約2年静置すると、液状馬油層と固形馬油層に自然分離します。結晶化する形は様々なので人の手で取り分け、何度も繰り返し行います。
ソンバーユ各商品の成分欄に表示のある「馬油」にもいくつかの種類があります。
馬の脂肪原料から馬油原料をつくる際、約2年間静置保管して固液分離を行います。
この工程で、ひとつの馬の脂肪の塊からは三種類の馬油原料が採取され、
それぞれ最終精製して、完成原料になります。
① 層(上層の馬油)
液状タイプのソンバーユ 常温時、淡色透明の液状の馬油原料です。ソンバーユ液状特製など、液状タイプのソンバーユに使用します。
② 層(中層の馬油)
石鹸 常温時、液化したり固化したりと、性状が不安定な馬油原料です。馬油を加工してつくる石鹸などに使用します。
③ 層(下層の馬油)
標準タイプのガラス容器入
ソンバーユ 常温時、白く固化する馬油原料です。 標準タイプのガラス容器入ソンバーユに使用します。
効能・効果は3層どの馬油も同じです。使用する季節や用途に応じてお好みでお選びください。
液状原料も固形原料も、馬油専用の真空蒸気洗浄機で不純物を除去し純馬油に。
厳しい品質検査をクリアした馬油原料は、馬油のみ扱う設備で各容器に充填されます。
説明書をつけて箱に詰めれば、ソンバーユの完成です。
皆様のお手元には、自社スタッフがご注文を承り、丁寧に梱包し、お届けいたします。
潤いと艶やかさお肌も髪も、
全身に使えるマルチスキンケアオイル
全身の保湿ケアやクレンジング、
パック、洗顔など馬油を多めに
使用する際にお勧めです。
液状で馬油の中でも特に角質層への
浸透性に優れています。
ベタつきが少ないので、化粧下地や
夏のスキンケアとして好評です。
馬油の美容効果と保湿力に着目して
作られたソンバーユの最高峰。
とにかく乾燥が気になる方におすすめです。
赤ちゃんやデリケートなお肌の方にも
お使いいただけます。
洗顔に、また浴用や洗髪にもご活用ください。
馬油のみを使用して作った、
泡で出てくるポンプタイプの
便利な馬油石鹸です。
液状タイプの馬油石鹸です。
汚れを優しく落とし、洗った後は
お肌しっとり。
洗浄成分98%以上が馬油主原料の
純石鹸で作られた、髪に優しい
アルカリ性の石鹸シャンプーです。
馬油シャンプーで洗った髪を
しっとりさらさらに仕上げます。
薄めてお使いください。
「馬油」とは?
昭和23年、創業者である直江 昶(なおえ とおる)は父親が経営する工場内で誤って転倒し、鋳鉄釜に左手をつき大火傷をしてしまいます。黒焦げになるほどの大火傷を負った昶を救ったのは、馬肉に付いていた脂肪でした。それは偶然とはいえ運命的な馬の油との出会いでした。以降、昶はこの比類ない馬の油の不思議に魅了され、その効能で皮膚の悩みを持つ多くの人を救いたいという思いから研究に打ち込むようになりました。
馬油とは読んで字の如く馬の脂肪から採取した油のことを言います。今日では多くの方にご愛用いただいている馬油ですが、この「馬油(ばぁゆ)」という言葉そのものも、お客様が覚えやすいようにと、直江昶が命名したものです。
昭和46年、長年の研究を経て皮膚の保護効果に独特の効能がある馬油を、世界で初めて製品にすることに成功。昭和63年には当時の厚生省(現 厚生労働省)が馬油という物質を認知し、化粧品としての製造を初めて許可をしました。そして、平成13年には世界共通の化粧品原料として「ソンバーユ」が承認され、化粧品成分としては「ばぁゆ」、または「バーユ」などと言われるようになり、マルチスキンケアオイルとして多くの皆様に愛用されるようになりました。
「馬油」の成分と性質
馬油の成分はウマ科動物ウマ(学名:Equus caballus 英名:Horse)のたてがみや、尻尾の根本部分、あるいは皮下脂肪層などから得られる脂肪油(動物油脂)です。 馬油にはオリーブオイルなどに多く含まれる「オレイン酸」、アボカドなどに多く含まれる「パルミトレイン酸」、必須脂肪酸である「リノール酸」や「α-リノレン酸」がバランスよく含まれています。
驚くことに馬の脂肪酸組成は人間の組成と酷似しています。そのため、馬油はヒトの肌へ馴染みが良いのが特徴です。すばやく角質層まで浸透し潤いを保つので、お顔の他にも髪や角層が厚い肘や踵など全身にご使用いただけます。
「ソンバーユ」命名の由来
直江 昶は、馬油の研究を通じて、馬油が人々にもたらす不思議な効能から、常々「馬油は尊いものだ」と感じ入っていました。長年の苦労が報われ、昭和63年に化粧品原料として認められたことを契機に、馬油の魔訶不思議さを世に広めるため、それまでの商品名「馬油」を改めることにしました。
それが「尊い馬油」で「ソンバーユ(尊馬油)」でした。